入れ歯の窓

1)義歯について

入れ歯(義歯)は人工の臓器です。
義歯(入れ歯)が合わないことでいろいろな不具合が起こります。
不具合と対策を列挙してみます。

①咬むと痛い時は、当たりが強い場合と入れ歯の咬み合わせがズレている場合があります。
A)当たりが強い場合は強く当たっている所を削り当たらないようにします。
B)咬み合わせがズレている場合に、ズレが1ミリ以内と小さい場合は入れ歯の歯を削って修正できますが、それ以上では歯を削っても修正できないので作り直ししなければなりません。咬み合わせのズレをアゴの動きを調節することで直そうとして、限界を超えればアゴを動かす筋肉やアゴの関節である顎関節が悲鳴を上げます。そうなればいわゆる顎関節症として顎関節の障害、筋肉の障害として肩や首のコリや腰の痛みなどの症状が出るでしょう。そのためイライラすることが多かったり、バランスがくずれ歩行に支障をきたすかもしれません。大きな咬み合わせの不調和があり、前記のいわゆる顎関節症の症状が顕著に出ている場合は、義歯を作る時間がないので入れ歯に合わせてデンチャースプリントを作り症状の改善をはかります。症状が改善すればスプリントの咬み合わせが正しいので咬み合わせの位置が決まります。後はその位置で義歯を作ります。

②痛くはないが入れ歯が落ちる、ズレる、口の中で泳ぐ、浮き上がる、ふらつく等しっかり咬めない場合は、作るときの型採りが巧くいっていないと思われますから、作り直します。リベースと言って義歯に裏打ちをする方法もありますが、料金も高く作り直すのと差が少ないので作り直すことを勧めています。

2)当院の義歯作りの流れ

通常とは異なりますが以下ようになります。手間が多いので完成までの期間は長くなりますが、保険で作る入れ歯(義歯)の場合は費用が決められているので他の歯科医院と治療費の総額は変わりません。

①総入れ歯でも部分入れ歯でも今まで入れ歯を入れている人は、その入れ歯を複製してコピーデンチャー( 複製義歯、コピー義歯 )を作ります。修正が必要な部分を改造し、落ちたり動いたりしなければその義歯を利用して型を取ります。その型を、ファイスボウトランスファーをして咬合器に装着し、ゴシックアーチトレーサーなどを用いて上下のかみ合わせを設定し、チェックバイトを採って咬合器を調節します。かみ合せが正しく決まればその状態を保った入れ歯を作るだけです。

②初めて入れ歯を作る場合は、大まかな型を採りそれを元に個人にあった型を再度採り①のように咬み合わせを設定して義歯を作ります。

3)自費の入れ歯のこと

金属床(料金が高い入れ歯)とレジン床(すべてプラスチックの保険の入れ歯)の一番大きな違いは快適性です。適合状態や咬んでも痛くないなどには違いはありません。

金属床いわゆる保険ではない自費の義歯の特徴は
①熱の伝わりが良いので、暖かい物は暖かく感じることで飲み物や食べ物が美味しく感じられますし、熱いものを飲んでも「熱い」と判るのでノドが火傷するような熱い物を飲まないので咽頭癌のリスクが減ります。
②上顎に接する部分が薄いので口の中が広く感じられ舌が自由に動けるので発音が明瞭になります。
③金属床がフレームになっているので咬んだときに義歯が歪まず咬み合わせが変化しにくい。
※パンフレットを希望される方は電話にて請求していただければお送りいたします